◎研究レポート「ハンブルボーイ」
’04.11.08、17/東京グローブ座
■出演:井ノ原快彦
■STORY
フェリックス・ハンブル(井ノ原快彦)は父の葬儀で実家に戻ってくる。 宇宙物理学者の彼は研究が上手くいかず情緒不安定 (というか、元から精神的に病んでるように見受けられる。 研究者としてはありがちそうな、精神的に幼稚だが研究対象の話になると饒舌になる)。 葬儀も逃げ出したらしい。 彼は母フローラ(夏木マリ)が父の研究対象であった蜂を処分してしまったことにひどく腹を立てている。 夫は何も残せなかったと主張するフローラ。皮肉めいた言い方の口論が続く。

庭師のジムがやってくる。 フェリックスは何人かの養蜂家たちがあの蜂たちを持っていった夢を見たことを打ち明ける。 庭師は実は数匹残っていることを打ち明ける。 そして「花の名前に人の名前がついていることが多いが、見つけた人間の名前が本当についているのだろうか?」と疑問を投げかける。

フローラの友人、マーシーはフェリックスのご機嫌を直そうと研究の内容を聞く。 宇宙の理論について熱く語るフェリックス。どもりも治っている。

一方フローラは夫が亡くなる以前から交際していたジョージからプロポーズされいた。 ジョージはフェリックスの元カノ、ロージーの父親だった。 母との関係を知らないフェリックスだが、ジョージも皮肉めいた言葉で激しく口論となる。

フローラとジョージが出かけているとき、元彼女のロージーが訪れる。 フェリックスは7年前ロージーを置いてケンブリッジへ行ったのだった。 ロージーはもうフェリックスに気はないことを確認するが、 フェリックスと話すうち誘いをかける。 フェリックスは拒むがちょっとその気になったとき、 ジョージとフローラが帰ってくる。何とかして、最後にロージーが子ども産んでいたことを思い出す。
「口のあたりがあなたにソックリよ」。
ロージーの子が自分の子であることを知り打ちのめされるフェリックス。 「えー!」「えー!」と素のイノハラヨシヒコ調でパニック!


フローラとジョージの婚約パーティーが開かれることになる。 4人で開くつもりが何故かフローラの友人マーシーも張り切って来ている。 椅子が足りなくなりガーデニング用の椅子に座るフェリックス。 みんなより一段低い。そしてフェリックスも父の服を着てきた。 4人は皮肉で傷つけあい、収拾がつかなくなる。フローラが、ロージーの子の父親がフェリックスであることを伝えなかったこと、 フローラが無臭覚症であること、父親が本当は心臓発作でなく研究対象だった蜂に殺されたこと。 さまざまな事実が分かっていき、さらに関係は混迷する。

父親になってほしいと言われて戸惑うフェリックス。 そこに現れたフローラ。二人きりになったとき、父宛に届いた一通の手紙をフローラに渡す。 それは新しい蜂を発見した証明書だった。その蜂はフローラの名前がつけられていた。

フローラはジョージとの結婚を断る。 パニックに陥るジョージはその怒りの矛先をフェリックスに向ける。 斧を手に取りフェリックスに襲い掛かる。逃げるフェリックス。 激しいやり取りが続き絶体絶命に陥る。

「その子に手を出さないで!」

フローラが叫ぶと蜂がジョージに襲い掛かった逃げていった。

ジョージが帰るとそこに現れたのは庭師。

「母さん、見て!夏の初めからいたんだ。でもなんて言っていいか分からなかった」。

庭師は死んだ父、ジェームスだった。

研究ではなく新しい道を探すことを打ち明けるフェリックス、 ひとりで生きていくことを誓うフローラ。二人の新しい日々が始まった。
■感想(まろっち)
いつもカッコいいイノッチがすっごく小さな小学生くらいに見えた。 それってスゴいんじゃないだろうか。自分を変幻自在に操って一つの役を作り上げてる。 演技する者、当たり前の話かもしれないけど、本当に良く出来ていた。

言葉がしっかりしてるんですよ。浮いてない。地に着いている感じと言えばよいか。 違和感を感じさせないのは丁寧に役を作りこんでいるからかなぁ。 どもったり饒舌になったりするのは、ハッキリと違いを出しがちになると思うけど、 「気づいたら饒舌」みたいな自然さ。専門用語多発且つ長ゼリフというハードルを越えたこともスゴイ。 なにより、考え中のときの古畑みたいな仕草が可愛い。

G2さんのはNHKで放送された『ダブリンの鐘つきカビ人間』と『人間風車(生瀬ver.)』しか見たことないからどーこー言えないけど、 人間の心理的なやりとりを表現させたらスゴイ人とかなんでしょうか。本を大事にしてるというか。

本もすごく好き。死にたくなると、ジム(ジェームス)が現れたりとか、しっかり演劇として書かれている。

●疑問●
・小学生以来のどもりが戻ってしまったところに何かがある気がする。 神かジェームスがフェリックスを小学生の頃に戻して、父との思い出を思い出させて、お別れをさせようとしたのだろうか。
・休憩前、蜂の音と箱にライトが当てられる理由
・「養蜂家が蜂を連れて行く夢を見る」、頭の中に蜂の音がするときに死にたくなる。この2点が父の死因への伏線?
他にもたくさんあったような。
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■グッズ
パンフレット。写真が良い。

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